花組が連れてきてくれた、初めての富山
2026年の夏休み。
今年は主人と二人で、初めて富山県を訪れることになりました。
……とは言っても、「富山へ旅行しよう」と決めたわけではありません。
きっかけは、花組全国ツアー。
花組が富山に!!
それなら今年の夏休みは富山にしよう。
我が家の旅行先は、宝塚が決めてくれることが少なくありません。
今回はチケットぴあ先行で幸運にもチケットを確保することができ、観劇を中心にした二泊三日の富山旅行が実現しました。
全国ツアーのチケット戦略
今回の全国ツアーでは、「どの公演を申し込むか」を最初に考えました。
宝塚劇場公演とは異なり、全国ツアーは会場ごとに販売方法が異なります。
そのため、「どのような販売方法で、いつから抽選応募できるのか」入念な事前確認が必要となります。
また、東京や大阪など主要都市から近い会場や地方でも交通の便が良い会場は、多くの方が希望される可能性があります。
そこで私は、思い切って遠征を前提に地方公演に狙いを定め、
さらに、日帰り遠征の人が参加しにくいソワレ公演を選択。
そこで白羽の矢が立ったのが富山新川文化ホールでの夜公演。
もちろん、当選は運の要素がとても大きいものです。
今回の方法が正解というわけではありませんし、次回も同じ結果になるとは限りません。
それでも、「少し視点を変えて申し込んでみる」という考え方は、選択肢の一つになるかもしれません。
もしこれから全国ツアーのチケットに挑戦される方がいらっしゃれば、私の体験が少しでも参考になれば嬉しく思います。
花組屈指の人気作2本立て
今回上演されるのは、ミュージカル『マジシャンの憂鬱』と、スパークリング・ショー『EXCITER!!2026』。
この組み合わせを見た瞬間、「これは絶対に観たい」と思った花組ファンは多かったのではないでしょうか。
『マジシャンの憂鬱』は、20世紀中葉のヨーロッパを舞台に、「透視能力を持つ」と噂される青年マジシャン・シャンドール(永久輝せあさん)が、事故死した皇太子妃(美羽愛さん)の真相究明を皇太子(聖乃あすかさん)に依頼されることから始まるミステリー作品です。
事件を追う中で皇太子妃の侍女ヴェロニカ(星空美咲さん)との交流や、それぞれが抱える葛藤も描かれ、正塚先生らしい洒脱な会話劇も大きな魅力となっています。
一方の『EXCITER!!2026』は、「刺激」「熱狂」「興奮」をテーマにした花組を代表するレビュー作品。
スタイリッシュでスピード感あふれる場面が次々と展開され、客席まで巻き込む熱量は、何度再演されても色褪せることのない花組屈指の名ショーです。
今回は全国ツアーということで、バウホール公演で主演を務める侑輝大弥さん率いるチームや、巴里祭に出演する極美慎さんたちは不在です。
それでも、今の花組だからこそ生み出せる華やかさや勢いを存分に感じられる公演になるはず。
期待は高まるばかりでした。
富山といえば、やっぱりお寿司
せっかく初めて訪れた富山。
観劇だけで帰るのはもったいないということで、旅行もしっかり楽しむことにしました。
まず楽しみにしていたのは、立山連峰の雪解け水が注ぎこむ天然のいけす富山湾の海の幸。
「富山のお寿司は本当に美味しい。」
そんな評判を以前から耳にしていたので、公演と同じくらい楽しみにしていました。



他にも地魚ののどぐろやアジ、炙り帆立などを堪能。
旅行の楽しみと観劇の楽しみが同じ日にやって来る。こんな贅沢な夏休みはありません!
グランミラージュでととのう
今回、魚津で宿泊したのはホテルグランミラージュ。
お寿司を堪能したあと、ホテルにチェックインすると、ソワレ公演までまだ少し時間があります。
ということで、まずはサウナへ!
グランミラージュには最上階に「スパ・バルナージュ」があり、立山連峰が見える「ヤマ」と富山湾が一望できる「ウミ」とに分かれており、宿泊すると日替わりでどちらの眺めも楽しむことが出来ます。
サウナ室に窓があること自体めずらしいのですが、そこから見える景色が絶景なのはかなりレアなサウナと言えます。
水風呂の水がまた素晴らしく良い!インフィニティチェアーという身体がフラットにできる椅子で、
すっかりととのった私は旅の疲れをリセットし、花組へ向けてエンジン全開に!
【ホテルグランミラージュ】
今回はこちらに宿泊しました。
花担であればこのホテル名で予約しちゃいますよね(笑) |
新川文化ホール(ミラージュホール)へ
身支度を整えていよいよ会場である新川文化ホール(ミラージュホール)へ。
ホテルで観劇準備をしていると、遠征に来てるー!ってかんじがしてテンションが上がります。
会場ロビーには公演を楽しみに集まったお客様の笑顔があふれ、公演前ならではの高揚感に包まれていました。
現地で購入しようと思っていたエキサイターのルームキー型キーホルダーは完売。
全国ツアーでグッズがどうしても欲しい方は、マチネ公演でゲットした方が安心かもしれません。

好きですよ、あなた
『マジシャンの憂鬱』は、2007年に月組・瀬奈じゅんさん主演で上演された作品です。
そして2025年、花組が博多座で再演。
前回の上演からそれほど長い期間を置かずに再演されるというのは、宝塚ではかなり珍しいことなのではないでしょうか。
私は博多座公演を観ることができなかったので、今回の全国ツアーに向けて、初演の映像作品で予習していきました。
そこでまず思ったのが、
「シャンドール、永久輝さんにぴったり!」
ということ。
知的で余裕があって、人を騙すマジシャンなのに、騙すことに対して妙に真面目。
今の時代には、なかなか存在しなさそうなキャラクターです。
そんなシャンドールを、渋みのある声とクラシックな雰囲気を持つ永久輝さんが演じる。
しかも、どこか王道を感じさせる佇まい。
これはもう、ぴったりではないですか。
そして、ヒロインのヴェロニカを演じる美咲ちゃんも、これまたぴったり。
芯が強く、誰かに守ってもらうのを待つのではなく、自分が人を守ろうとする実直な女性です。
美咲ちゃんの持つ真っ直ぐさが、ヴェロニカという役によく似合っていました。
一方、初めて映像で観たときには、まさかボルディジャール皇太子を聖乃さんが演じて、こんなにハマるとは想像していませんでした。
真面目すぎるがゆえに、どこかコミカル。
しかも、本人はいたって真剣なのに、なぜか笑いが起こる。
ノーブルな立ち姿や振る舞いからは想像できないほど、シャンドールとのやりとりが可笑しいのです。
シャンドールが何を言っても、やることなすこと裏目に出るというか、別の意味に受け取られてしまう。
この「本人は笑わせるつもりがないのに、結果的に笑いになる」という感じが、聖乃さんにとても似合っていると思いました。
こういう、少しずれた笑いを成立させるところも、正塚先生のお芝居の魅力なのかもしれません。
そして、この作品には耳に残る台詞や音楽がいくつもあります。
シャンドールの稼ぎを当てにしている人たちが、ことあるごとに声を揃える、
「全てはシャンドール次第!」
そして場面転換で流れる、
「マジック、マジック、マジック~」
という、どこかミステリアスなハーモニー。
観終わったあとも、ふと頭の中で流れてくるんですよね。
そして、もうひとり印象に残ったのが、美羽愛ちゃん演じる悲劇の皇太子妃。
事故死したと思われていた彼女は、実は地下のカタコンベに幽閉されていました。
3年もの間、そこに閉じ込められ、精神を病み、自分のことも、夫のことも忘れてしまっている。
それでもなお、溢れ出る気品。
美羽愛ちゃんの美しさが、その悲劇性をいっそう際立たせていました。
そして、事件が一件落着し、旅に出ることになったシャンドールが、ヴェロニカについてきてほしいと告げる場面。
そこで発せられるのが、
「好きですよ、あなた」
です。
この台詞、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
FNS歌謡祭で、MILKさんと花組が「好きすぎて滅」をコラボした際、永久輝さんがカメラに向かってアップで放った、あの「好きですよ、あなた」。
ヅカオタにとってはすっかりお馴染みの台詞ですが、職場の後輩からも、
「『好きですよ、あなた』ってなんですか?」
と聞かれたほど、強烈なインパクトを残した言葉でした。
でも、お芝居の中で改めて聞いてみると、これがまた絶妙なのです。
シャンドールはヴェロニカへの想いを、決して情熱的にぶつけるわけではありません。
「一緒にいてください」とも、「一緒に来てほしい」とも言わない。
ヴェロニカの故郷であるウェールズを紹介してほしいとか、マネジメントをしてついてきてほしいとか、あれこれ理由をつけて、ちょっとずつ誤魔化す。
なのに、肝心の「好き」という気持ちだけは、妙にドストレート。
「好きですよ、あなた」
……え?
今、なんて言いました?
と思わず聞き返したくなるような台詞です。
美咲ちゃん演じるヴェロニカが、一瞬シャンドールを見返すのもわかる気がします。
現実には、なかなか言えませんよね。
こんなキザな台詞。
しかも、それを余裕たっぷりに、さらっと言ってしまうシャンドール。
おそらく、照れ隠しもあるのでしょう。
だからこそ余計にずるい。
そして何より、こんなにも恥ずかしくて、照れてしまいそうな台詞を、どこか照れ屋さんの印象がある永久輝さんが言う。
私は、ここにすっかりやられてしまいました。
「好きですよ、あなた」。
現実には絶対に言えないような言葉なのに、舞台の上では、それが成立してしまう。
これぞ宝塚!そして私は、こういう台詞に弱いのです~
後編は熱狂のエキサイターへつづく
1つにまとめようとした富山公演ですが、書きたいこと、紹介したいものが多すぎるので、
エキサイター2026と富山旅行のつづきは後編として綴ることに。
どうぞお楽しみになさってください。
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記事内容は、筆者個人の体験や記録に基づいています。
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