大阪・SkyシアターMBSで『紅鬼物語』を観劇してから約1か月。
今度は主人と一緒に、シアターHで東京公演を観劇した記録を綴りたいと思います。
主人と舞台を観に行くことはありますが、この日は私にとって特別な一日でした。
何と言っても、お席が前から6列目!
チケットを手にした時から、「こんな近くで観られるなんて」と、当日を心待ちにしていました。
通路寄りを所望!ヅカオタあるある
大阪公演ですでに作品を観ていた私は、あることを知っています。
紅子が客席の通路を通ることです。
主人から並んで座るとき「真ん中寄りの席が良い?」と言われたのですが、私の答えは即座に「いや、通路寄りで!」。
きっと宝塚ファンなら「分かる!」と頷いてくださる、少しでも推しに近づきたいヅカオタあるあるではないでしょうか(笑)。
シアターHは客席と舞台との距離がもともと近い劇場ですが、6列目から観る舞台は想像以上の迫力でした。
客席の照明が落ちると、一気に物語の世界へ引き込まれていきます。
6列目だからこそ感じられた息づかい
若き日の紅子が舞う場面では、柚香光さんのしなやかな筋肉の筋や、一つひとつの呼吸までも感じられるようで、本当に贅沢な時間でした。
映像では決して味わうことのできない、生の舞台だからこその臨場感。
役者の皆さんの表情や視線の動きまで鮮明に伝わってきて、6列目というお席だからこそ味わえた幸せだったと思います。

「あっという間だった!」
主人は映画は好きですが、舞台観劇にはそれほど慣れていません。
3時間を超える公演なので、「長く感じて疲れてしまうかな」と少し心配していました。
ところが終演後、一番最初に主人が口にした言葉は、
「あっという間だった!」
でした。
思わず驚いてしまいました。
主人には推しがいるわけでもありませんし、お世辞を言うタイプでもありません。
だからこそ、この「あっという間だった」という一言は、「本当に楽しかった」という何よりの褒め言葉だったのだと思います。
火鍋を囲みながら語り合った『紅鬼物語』
観劇後は二人で火鍋(この頃の私は、何かと紅いものに吸い寄せられていたため)を食べながら、舞台の感想を語り合いました。
「あの場面が良かったね。」
「あの演出はすごかったね。」
そんな何気ない会話を交わせる時間もまた、観劇の醍醐味なのだと改めて感じました。
作品を観終えたあとも、余韻を共有できる人がいること。
それはとても幸せなことなのだと思います。

愛には責任が伴うということ
大阪公演を観た時から、私の中には一つ疑問が残っていました。
なぜ蒼は、紅子よりも先に命を落とさなければならなかったのだろう。
東京公演を観ても、その答えが明確に示されたわけではありません。
それでも今回改めて観て、私は一つの解釈にたどり着きました。
鬼と人が共に生きることは、本来なら決して容易ではありません。
それでも蒼は、妻が鬼であることを知ったあとも、紅子を愛し続け、自らの命を懸けて守ろうとしました。
娘の藤には桃千代が寄り添っている。
だからこそ、自分は愛する紅子のそばにいて、その愛によって彼女を人へ戻し、最後まで共に生きようとしたのではないか。
私はそのように感じました。

そこに描かれていたのは、「愛には責任が伴う」ということだったように思います。
自分が愛した人が過ちを犯したなら、見捨てるのではなく、許し、ともに償い、生きていく。
それもまた、愛の一つの形なのでしょう。
私の愛読書の一つに、福永武彦の『愛の試み』があります。
本著は愛するということは、自己の孤独と向き合い、その孤独を賭けることだと説いています。
喜びだけではなく、苦しみや葛藤をも引き受けることなのだと、この作品は静かに語りかけてくれます。
『紅鬼物語』を振り返っていると、蒼の紅子への愛もまた、そのような覚悟を伴う愛だったのではないかと思えてきました。
そして紅子もまた、鬼である自分に人生を賭けてくれた蒼の愛に応えようとした。
それは、共鳴であり、償いでもあり、互いの人生を引き受けようとする深い愛だったのではないでしょうか。
もちろん、この解釈が正解かどうかは分かりません。
だからこそ舞台は面白く、観るたびに新しい発見があります。
おわりに
大阪で作品に出会い、東京では主人とその感動を分かち合うことができました。
同じ作品でありながら、私に残してくれたものは少し違っていました。
作品の感動はもちろんですが、主人と同じ舞台を観て、同じ余韻を味わい、美味しい火鍋を囲みながら語り合えたこと。
その時間も含めて、『紅鬼物語』東京公演は、私にとって忘れられない大切な思い出となりました。
舞台は一期一会。
同じ作品でも、誰と観るか、どの席で観るかによって心に残るものは大きく変わります。
『紅鬼物語』は、私にとって舞台の素晴らしさだけでなく、大切な人と同じ時間を共有する幸せを改めて教えてくれた作品となりました。
『紅鬼物語』大阪観劇記はこちらです
私の人生のバイブルです。愛とは何かと考えるとき、度々読み返しています。 |
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