これから東京で上演される雪組公演『DayDreamDali』の前に、
是非伝えたいダリとガラのエピソード、そしてその愛から生まれたランセルのバッグについてご紹介したいと思います。
舞台を観る前から、すでに心が動いている――
そんな体験は、そう多くありません。
大阪・梅田芸術劇場で上演され、その評判は、観ていない私のもとにも届いてきました。
とりわけ、瀬央ゆりあさんの新たな代表作とも言われるほどの熱量。
“傑作”という言葉が、あちこちで自然に使われていることに、ただならぬ気配を感じています。
けれど大阪公演はチケットにも配信にもご縁がなく、まだその世界に触れることはできていません。
奇跡の配役
今回どうしても触れておきたいのが、この作品の配役です。
ダリを演じるのは瀬央ゆりあさん。
そして、その妻ガラを演じるのが――同期であり、専科の男役でもある輝月ゆうまさん。
この並びを知ったとき、思わず声が出るほど驚きました。
同期が同じ作品に出演するだけでも胸が高鳴るのに、
まさか夫婦として対峙することになるとは。
しかも、ガラという役どころ。
芸術家の妻であり、ミューズであり、母であり、ときに女神のような存在。
ひとつの側面では捉えきれない、複雑で強い輪郭を持つ人物です。
宝塚における娘役は、長らく「守られる存在」としての役割を担うことが多く、
近年は自立した女性像も増えてきたとはいえ、
ガラのような存在をそのまま写し取るのは、簡単なことではないように思っていました。
いったい、誰がこの役を担うのだろう――と。
だからこそ、この配役を知った瞬間の納得感は、言葉にしがたいものでした。
輝月ゆうまさんという選択。
しかも、瀬央ゆりあさんと同期であるという関係性。
対等で、拮抗し、互いに作用し合うふたり。
その構図が、そのままダリとガラの関係に重なっていくように感じられて、
思わず「さすが」と唸ってしまいました。
まだ実際の舞台は観ていません。
けれど、この配役そのものがすでにひとつの表現であり、
作品の核に深く触れているのではないか――そんな期待が高まっています。
ダリとガラ――現実を超えて結ばれたふたり
サルバドール・ダリ。
十代の頃から、私にとって特別な存在であり続けている芸術家です。
大学時代もシュルレアリスムについて学んだ際、
この偉大で偏執狂的な生き方そのもののダリに、心酔していました。
そして、その創作の源泉ともいえる存在が、ガラ。
彼女は単なる伴侶ではなく、
ミューズであり、マネージャーであり、時に支配者のようでもあった人物。
ダリは生涯にわたって彼女を崇拝し、
作品の中でも、現実の中でも、彼女を神格化し続けました。
その関係は、一般的な「恋愛」や「夫婦」という言葉では収まりきらない、
どこか夢のようで、どこか現実離れした結びつきだったように思います。
ダリグラムという、愛のかたち
そんなふたりの関係を象徴するもののひとつが、「ダリグラム」です。
ふたりのイニシャルS 、D、Gを用いて8つの図案化されたアルファベット(ダリグラム)を
ダリがデザインしました。ふたりだけが分かる愛の暗号。
とても自由で、どこまでも個人的な世界。
ダリにとってガラとは、
「説明するもの」ではなく、「表現せざるを得ないもの」だったのかもしれません。
ダリグラムの中でも私が好きな文字は「D IN G」(Gの中のD)です。
これはぱっと見は取りつかれた人の目、あるいは鳥の目のようであり、
よく見るとアルファベットのDを包み込むようにしてGが描かれており、
ダリを包み込むガラそのものなのです。

DALIGALA――私の手元にある、もうひとつの物語
そんなダリとガラの関係、ダリグラムをモチーフにしたバッグがあります。
1970年、ダリがガラのためだけに、フランスの老舗ブランド LANCEL(ランセル)に作ってもらたのが、ダリグラムを全面にあしらい、持ち手に自転車のチェーンを用いるという斬新なデザインのショルダーバッグです。
そして、2011年にこのバッグへのオマージュとして発売されたランセルのダリグラムコレクション。
私が持っているのは、中でも二人の名を冠した「DALIGALA」というランセルの象徴的なバケツ型のバッグです。
当時から私はダリに強い憧れを抱いていて、ダリとガラのストーリーを伝え、
主人からプレゼントしてもらった宝物です。



クラシックでありながら、どこか遊び心のある佇まい。
そして、その名に宿る物語。
ただの“持ち物”ではなく、
ひとつの世界観を手にしているような感覚がありました。
発売当時のLANCELのプロモーション動画です。ショルダーバッグの紹介がされています。
舞台へ向かう、その前に
『DayDreamDali』が描くダリとガラ。
その答えを、私はまだ知りません。
だからこそ、これまで自分が触れてきたダリの絵画や発言、
ガラという存在へのイメージをたどりながら、
この作品に向かっていく時間を大切にしたいと思っています。
そして来月、東京で実際に舞台を観たとき。
この印象がどのように変わるのか――それもまた楽しみのひとつです。
観劇した感想も書きたいと思いますので、是非またお立ち寄りくださいませ🦐
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記事内容は、筆者個人の体験や記録に基づいています。

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