初めての宝塚観劇

柚香光

「元禄バロックロック」という、運命の宵

宝塚を本格的に観るようになったのは、2022年。
はじめて劇場で観た演目が、花組公演
『元禄バロックロック』でした。

花組新トップコンビ、
柚香光さんと星風まどかさんのお披露目公演。
そして、花組誕生100周年という記念すべき節目の公演。

コロナ禍の最中、
「今日、この幕が無事に上がるだろうか」
そんな不安を抱えながらも、胸を高鳴らせて劇場へ向かった夜は、
今も鮮明に思い出すことができます。


元禄バロックロックという物語

舞台は、花が咲き乱れる国際都市・エド。
世界中から科学の粋が集まり、
百花繚乱のバロック文化が花開いた時代です。

主人公は、
元赤穂藩藩士で、心優しく真面目な時計職人・クロノスケ(柚香光)。
貧しくも穏やかな暮らしを送っていた彼は、
ある日偶然、「時を戻すことのできる時計」を発明してしまいます。

その時計によって大金を手にしたクロノスケは、
次第にかつての誠実さを失い、
我が世の春を謳歌するようになります。

そんな彼の前に現れるのが、
妖しく微笑む謎の女性・キラ(星風まどか)。
賭場の主である彼女に導かれるように、
クロノスケは爛れた愛へと足を踏み入れていきます。

一方、主君の仇討ちを背負ったかつての同志が現れ、
「時を戻せたなら――」という悔恨が、
クロノスケの胸を締め付けることになるのです。

忠臣蔵という、日本人にとって馴染み深い物語を下敷きにしながら、
愛と欲、後悔と選択を描いた、
ファンタジー性あふれるエンターテインメント。

「時を操れたとしても、人の心はどうにもならない」
言い換えれば、人の心を動かすことが出来れば、世界や運命を変えることもできる。

そんなメッセージが込められているように感じました。


宝塚という二部構成の魅力

宝塚の公演は、一本物のお芝居だけで約3時間に及ぶ作品もありますが、
基本的には、前半がお芝居、休憩を挟んで後半がショーという構成になっています。

お芝居では役として生き、
ショーではタカラジェンヌ自身として、歌い、踊り、想いを届ける。

この公演のショー
『The Fascination! ―花組誕生100周年 そして未来へ―』は、
花組100年の歴史を祝い、
その伝統を未来へと繋いでいく構成になっていました。

過去の花組作品の楽曲が歌い継がれ、
歴史が「記憶」ではなく「現在進行形」として立ち上がる時間。

初観劇でこの空気に触れられたことは、
今思っても、とても幸運だったと感じています。


ピアノ・ファンタジィ――柚香光というダンサー

中でも忘れられないのが、
ガーシュウィンの名曲「ラプソディ・イン・ブルー」で繰り広げられる
「ピアノ・ファンタジィ」の場面です。

柚香光さんのダンスの魅力が、
余すところなく詰まったひとときでした。

研ぎ澄まされているのに、たおやかで。
都会的なのに、確かに感情が乗っている。

音楽をなぞるのではなく、
楽器のように、奏でるようなダンス。

何度映像を見返しても、
そのたびに新しい発見があり、
つい再生ボタンを押してしまいます。

また、「ピアノ・ファンタジィ」は、

男役が白燕尾で白鍵を、

娘役が燕尾ダルマで黒鍵を表現した演出が印象的な場面です。

シンプルな衣装に加え、

ピアノの鍵盤が都会のビル群のように立ち並ぶ、

華美になりすぎない舞台装置。

それらが相まって、ダンスそのものの美しさが、

より際立って感じられました。

トップ娘役の星風まどかさんは、

燕尾ダルマという難度の高い衣装を見事に着こなし、

バレリーナのような儚さと、

ブロードウェイダンサーのような力強さを併せ持っていました。

際どい衣装でありながら、

いやらしさをまったく感じさせず、

終始、気品を失わない佇まい。

娘役は可憐で愛らしいと思われることが多いですが、

このときのまどかちゃんはキリっとしていて

女性から見て、かっこいい!と見とれる娘役でした。

心の翼――コロナ禍に響く、絆と愛の詩

もう一つ、胸に深く残っているのが、
花組生全員で歌い上げる
「心の翼」の場面です。

舞台いっぱいに響く力強い歌声。
そして、組子一人ひとりを見渡す
柚香さんの、あたたかな眼差し。

トップスターとして前に立つだけでなく、
皆を包み、支える存在であろうとする姿に、
「組」という宝塚独特の文化の美しさを教えられた気がしました。

『元禄バロックロック/The Fascination!』はBlu-rayで観ることができます。

黒髪の柚香さんが素敵!Blu-rayはキャプチャーごとに観たいシーンにとべるのが便利です。



いま振り返り、これから綴っていきたいこと

2022年、はじめて観た宝塚の舞台。
そして、柚香光さんに心を奪われたあの宵から、
私の観劇の時間は、静かに、けれど確かに続いてきました。

柚香さんがトップスターとして歩んだ時間を見つめ、
やがて卒業を迎えましたが、
今も私は宝塚の作品を観続けています。

なかなかチケットが取れないので、
劇場での観劇だけでなく、
映画館でのライブビューイング、
楽天TVでの配信、
そしてBlu-rayや配信で出会う過去の作品たちも、
私にとって大切な「観劇体験」のひとつです。

このブログでは、
そんな過去の舞台の記憶と、
いま現在進行形で動いている宝塚の時間とを、
行きつ戻りつしながら、宝塚のまにまに、綴っていけたらと思っています。

はじめて心を動かされた舞台の話も、
今日観たばかりの舞台の余韻も、友人とお茶をしながら語り合うように。

お付き合いいただければ嬉しいです。

この日の公演おやつは、花咲かりん。美しいだけでなく、ほの甘くほっこりするかりんとう。https://hanasaki-karin.co.jp/

東京宝塚劇場4階の売店では、

毎公演、演目やトップスターの出身地などにちなんだおやつが販売されています。

おうちで待つ旦那さんやお子さまへのお土産として、

そして公演の余韻に浸る、

ご褒美ティータイムに、ぜひ!!

※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
記事の内容や感じ方は、すべて個人の記録として綴っています。

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